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「見逃さないで! 血尿①」

2017年 8月22日 16:25

尿に血が混じっている状態を「血尿」といいます。健康診断などで行う尿検査では「+」や「2+」といった表記で陽性反応を指摘されます。血尿の方は、日本で約500万人いると推測されています。年齢が高くなるほど発生頻度が高く、とくに女性に多い傾向があります。今回は「血尿」からわかる病気を特集します。

尿ができるまで

尿は腎臓でつくられます。腎臓は血液をろ過して老廃物を取り除き、再利用できるものは血液とともに体の中に戻し、不要になった水分・塩分などは、尿として体外に出しています。
尿は腎臓から尿管という細い管を通り、膀胱にたまります。膀胱には300~500㎖程度の尿をためる働きと尿を出したいときに、適切に収縮して排出する働きがあります。

血尿とは


このとき腎臓の中にある糸球体が「ざる」の役目をして、必要なものと不必要なものにわけます。腎不全では、糸球体や尿細胞に障害がおこるため、血尿やたんぱく尿がでてしまいます。血尿は大きく分けて、目でみて尿が赤~黒く見える「肉眼的血尿」と、目には見えないけれども、検尿検査をすると尿に血液(赤血球)が混じっている「顕微鏡的血尿」の二つに分けられます。
健康診断などでは約10%の方に血尿が見つかります。
血尿が出ても病気でない場合も多く、運動後(マラソンなど)、生理前後、性活動後、抗凝固薬(血をサラサラにする薬)使用中などは一時的に血尿がでることはあります。
通常の尿検査で「+」が出ている場合でも、顕微鏡で赤血球が見えなければ血尿とは言いません。健康診断などで血尿を指摘された際には、再度かかりつけ医などに行き、顕微鏡で見る検査(尿沈渣検査)を行う必要があります。

血尿は何科を受診するべき?

さて、血尿が出たら何科を受診するのがよいのでしょうか。
「血尿の原因は、腎臓で尿ができる時に血が混じる場合と、尿ができた後に尿管や膀胱に結石や腫瘍、傷ができて血が混じる場合の2通りがあります。前者は腎臓内科で、後者は泌尿器科となります」と柳田太平(やなぎだ・たいへい)腎臓内科部長は話します。
「腎臓の内科的疾患でも、5-6%で肉眼的血尿をきたす場合がありますが、風邪や咽頭炎のあとに血尿が出ることがほとんどです。ただ、下肢のむくみや高血圧、蛋白尿をともなう場合は腎臓病の可能性が高くなります」。

「腎炎は治らない」はもう古い

「腎臓病により治療法は異なりますが、“腎炎は治らない”という認識は古く、4割以上を占める最も多い腎炎は、3年で90%以上が完治する時代となっています。とくに蛋白尿をともなう血尿の場合は、いち早く腎臓内科(腎臓専門医)に受診し、治療することが大事です」(柳田太平腎臓内科部長)。
(製鉄記念八幡病院 柳田太平腎臓内科部長)