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身近でこわい脂肪肝(しぼうかん)

2018年 3月28日 11:07

脂肪肝とは

脂肪肝とは肝臓に中性脂肪が貯まった状態のことです。
最近ではメタボリックシンドロームとの関係を指摘されています。専門的には「脂肪性肝疾患」と呼びますが、飲酒が原因である「アルコール性脂肪性肝疾患」と、肥満、糖尿病、脂質異常症、
薬などが原因の「非アルコール性脂肪性肝疾患」に大別されます。
アルコール性の場合、脂肪肝から肝硬変へ進展し、さらに肝細胞がんを発症する可能性が高まる
ことは、昔から知られていました。
それに対して、非アルコール性については、命に関わることはないというのが、以前からの考え方でした。1980年に米国より非アルコール性脂肪肝炎(NASH)という病態が発表されました。
これは、飲酒が関わっていない脂肪肝でも、肝硬変や肝細胞がんに到ることがあるというものでした。

肝臓は沈黙の臓器

脂肪肝になっても症状が出ることはほとんどありません。
肝硬変や肝細胞がんになったとしても、早期で症状が出ることは少なく、症状が出た場合、
病気としてはすでにかなり進行した状態であることも珍しくありません。

早期発見するためには

症状がなくても、健診を受けることが重要です。特に重要になるのが、血液検査と腹部超音波
検査です。血液検査にて、肝機能検査で「要精査」と書かれていれば、必ず精密検査を受けて下さい。「要観察」と書かれている方の中にも脂肪肝の方はいます。また、腹部超音波検査では、簡単に脂肪肝がわかります。受けたことがない方は是非受けてみて下さい。

日本に非アルコール性脂肪性肝疾患は推定1000万人~2000万人

これは、決して人ごとではないのがわかるかと思います。非アルコール性脂肪性肝疾患の治療としてまず重要なのは、生活習慣の改善です。糖尿病、脂質異常症などの疾患があれば、これらの疾患に対する治療が必要となります。食習慣や運動などの生活習慣の改善で体重が7%減量すれば、非アルコール性脂肪肝炎は改善すると言われています。
心あたりのある方もない方もまずは健診の結果を見直してみて下さい。そして、異常があればもちろん、異常がなくても何か疑問があれば、医療機関を受診して下さい。

(製鉄記念八幡病院 肝臓内科)